桃色めがねでみた世界

私の目からみた世界や、私の感じたこと、考えたことについて、気ままに綴っていきます。

有馬温泉に癒される

友人と日帰りで有馬温泉に行ってきました。

温泉をじっくり楽しむ機会なんて今までなかなか無かったので、

わくわくしながら出発です。

 

バスに揺られて温泉街に到着すると目の前にまんじゅう屋さんやおだんご屋さん、漬物屋さんなどがずらり。

あつあつのおまんじゅうと梅昆布茶をいただき、炭酸せんべいの試食をしてから温泉に向かいます。

 

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温泉へ向かう途中、目に飛び込んできたのはこちら、有馬川です。
川沿いで遊ぶ親子連れや子どもたちの様子がなんとも微笑ましい。

 

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有馬川周辺の木々は少しずつ色づき始めていました。

もう少しでこの辺りも紅葉シーズンですね。

木の下に見えている真っ赤な欄干は、「ねね橋」という小さな橋の欄干です。

「ねね」とは、豊臣秀吉の正妻のこと。

有馬温泉には、秀吉やねねにちなんだ像や建造物がたくさんあります。

かつて戦乱が続いていた時代、有馬温泉には病や傷を癒しにたくさんの人々が訪れたそうですが、秀吉とねねも有馬温泉をこよなく愛していたのだとか。

やがて有馬温泉は大火や地震により大きな打撃をうけてしまいますが、

そのとき秀吉とねねは温泉の復興に尽力し、

現在に至るまで「有馬の恩人」として語り継がれることになったそうです。

 

 有馬温泉には数多くの温泉施設がありますが、その中から今回は「太閤の湯」というところを選びました。「太閤秀吉」の太閤ですね。

 

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 太閤の湯の入り口。ひょうたん型の看板です。

 

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太閤の湯の外観。少し、「千と千尋の神隠し」の湯屋に似ているような…?

内装もあの湯屋を彷彿とさせるようなデザインになっていて、ジブリ好きとしては心が踊りました。

 

太閤の湯の素敵なところは、とにかく温泉の種類が多いこと!

今回わたしたちは、6種類ほどの温泉をじっくり堪能したあとソフトクリームを食べて休憩し、その後岩盤浴でしっかり汗を流して再び温泉に浸かる…という贅沢すぎることをしました。

わたしは肩こりがひどいのですが、温泉を出たあとはずいぶんと楽になっていて体が軽く感じました。休日にゆっくり温泉に入るのは良いものだなと思いました。今後も色々な温泉を巡ってみたいです。

 

太閤の湯を出たあとは、その真向かいにある「ねねの小径」という小道を散歩。

ここには数種類のハーブや草花が植えられています。

 

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中でも一番目を引いたのは、まっすぐ伸びる可愛らしいこの花。

淡い黄色が綺麗です。

日本の花ではありませんが…。

ウィンターコスモスといって、北アメリカ原産の、8〜12月に咲く花だそうです。

 

散歩を終えたあとはおだんご屋さんに寄り、できたてのみたらしだんごを食べて帰りました。心身ともにすっかりほぐれて、帰りのバスではぐっすり寝てしまいました。

 

日本の温泉文化は本当に素晴らしいなあと実感できた1日でした。

温泉のもつ治癒効果やリフレッシュ効果に気がついた先人たちに感謝です。

ときどきこのようなリフレッシュを挟みながら、またがんばっていきたいと思います。

 

 

 

三鷹の森に迷い込む

夜行バスで東京へ旅行に行ってきました。

f:id:slowdreamer:20161001195956j:plain明け方、行きのバスが休憩のため停車したサービスエリアからはすばらしい景色が。

幸先が良いです。

 

わたしが乗っていたバスは何の変哲もない大型バスだったはずなのですが…

本当は普通のバスに化けたネコバスだったのかもしれません。

やがてわたしは三鷹の森ジブリ美術館に辿り着くこととなりました。

 

ジブリ美術館の外観は、異世界の不思議なお屋敷のよう。

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すてきな外観に吸い寄せられて、中に入るのが待ち遠しくなります。

 

 

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かわいらしい玄関をくぐって、いよいよ中へ!

 

…おっと、ここから先の写真はありません。なぜなら…

受付で手渡されるパンフレットに、こんな文言があるからです。

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さすがはジブリです。

パンフレットに書かれている言葉ひとつとっても、考えさせられるものがあります。

 

というわけでここからは、わたしが心の中にしまって持ち帰ってきたことを

ことばに置き換えてみなさんにお見せしたいと思います。

細かい感想は色々とあるのですが、ひとことでまとめると、

「この世界にたしかにいる、不思議なものたちの存在を感じさせてくれる場所」

だと思います。

ジブリの世界には不思議なひと?もの?がたっくさんでてきます。

そのすべては架空のものではありますが、

それらにごく近いようなものはこの世界にも本当にあるのだと思います。

そうした不思議なものたちの存在を日々感じることができたら、

世界はすごく豊かになるかもしれません。

その逆に、不思議なものたちに気がつかなかったり、

気づいていても無視したり軽視したりすると、

大切なことを見落として

色々なバランスが崩れてしまうのではないかという気がします。

人々が、精霊や妖怪などと

ずーっと一緒に生きていける世界であれば良いなと思います。

 

それからこの美術館、アニメーション制作の流れや作り手の方々の仕事の様子、

アニメーション技術の仕組みなどが詳細にわかるという点でもかなり面白いです。

何時間でも飽きずに居られそうな、すてきな美術館でした。

東京へ行かれる際にはぜひ立ち寄ってみることをおすすめします。

あっ、でも入館は完全予約制なのでご注意くださいね!

 

【おまけ】

三鷹の森から無事抜け出し、浅草寺でおみくじを引いたら…

なんと生まれて初めての大吉でしたとさ。

良いことあるかな。

 

 

 

 

 

 

越前海岸の夏 その2

先月下旬のことですが、ふたたび越前の海へ行ってきました。

越前では7月末にも一度潜りましたが、1か月経っただけでも見られる生きものは変わります。というわけで今回は、8月下旬の越前で出会った生きものたちを紹介したいと思います。

 

潜り始めて間もなく、岩場にずっしりと構えていたのはこちら。

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カサゴ様です。見るたびに思うのですが、カサゴってなんだか貫禄があります…。

カサゴはよく縄張り争いをするそうですが、わたしはまだその様子を見たことがありません。きっと迫力ある争いなのでしょう。一度は見てみたいものです。

 

岩場を泳ぎ続けていると、次はこんなものを発見。

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…ただの岩を撮ったわけではありません。よく見ると、岩と岩との間に小さな点がたくさんあるのがわかるでしょうか?この白い点、元気良く動き回っていたので、もうすこし近づいて見てみました。

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おお、何らかの甲殻類です!(笑) ピントはなかなか合わないし、詳しいことはわかりませんが…。エビの幼生でしょうか??

今はこんなにたくさんいますが、このうちのどれだけが無事おとなになれるんでしょう?思わず応援したくなります。

 

次はかわいい編。

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白い斑点模様が可愛らしい、アミメハギの幼魚です。

アミメハギは、周りの環境によって体の色が違います。たとえば、緑色の藻の近くにいるアミメハギは緑色をしています。

この子は茶色のホンダワラの周りを泳いでいるので、ホンダワラによく似た茶色っぽい体ですね。

 

最後は、おもしろい形の生きもの。

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ホヤです。まるで未知の惑星のようです…。色も鮮やか。

ホヤは色や形が本当に様々で、見ているだけでも楽しいものです。

 

この他にも、スズメダイ、コケギンポメバル、ボラ、キジハタなどたくさんの生きものたちに出会い、今回も楽しいダイビングとなりました。

大好きな日本海ですが、あと一か月ぐらい経つと、水温や海況の関係で日本海には潜れない季節になります。

冬になったら、今度は太平洋を満喫したいと思います!

今が人生で一番いいチャンス

先日、久しぶりに南禅寺へおでかけしてきました。

南禅寺へは昨年初めて訪れたのですが、わたしは南禅寺のたたずまいや風景がとても好きです。あの場所にいるだけで心が安らぐ、そんな空間だと思います。

 

さて、今日の本題は、南禅寺そのものではなく、その帰り道に見つけたすてきなことばについてです。南禅寺から帰る途中、このような掲示がありました。

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南院国師塔所・帰雲院の掲示板に貼られている一枚の紙。

鳥の絵は、鷹でしょうか?

そしてその下にポップな文字で書かれたことば、

「遅すぎることはない。今が人生で一番いいチャンス!」

…わたしはこれを読んだとたん、衝撃と感銘のあまりに声をあげてしまったのでした。

なんていいことば…!!

 

今が人生で一番いいチャンス。

とっても大事なことでありながら、すぐに忘れてしまうことでもあると思います。

やっぱり、つらいときや疲れているときは、

「あのころはよかった」とか、「この先に幸せが待ってる」とか、

ついつい今をすっとばして考えてしまいがちです。

でも本当は、わたしたちは今を動かすことしかできないし、

「今を一番良く生きるにはどうしたらいいか」を考えていくべきなのでしょう。

もちろん、そんなことを考えられないぐらいにどん底に陥ることだってあるし、

そのようなときに無理して「今が一番いい!」なんて考える必要はないのですが。

でも、過去や未来に幸せを探し続けていては一生幸せになれないというのもまた事実だと思います。

「今はだめだ、不幸だ」と考えるあまりに自分に目隠しをして、せっかく目の前にやってきている小さな喜びやチャンスを見落とすことのないように生きていきたいなと思います。

人生にも世の中にもいろいろなことがあるけれど、どんなときでも、「今だって必ずどこかに希望があるんだ」と信じ続けていきたいものです。

タバコガと暮らした日々

突然ですが、みなさんはピーマンを切っていて虫に遭遇したことがありますか?

わたしは最近、料理中に切ったピーマンの中にちいーさないもむしが住んでいるのを見つけました。直感的に「この子がおとなになる様子を見たい!」と思ったわたしは、そのいもむしを飼育することを決意しました。今日は、その虫と暮らした約三週間の軌跡を振り返りたいと思います。(虫が苦手なかたにはごめんなさい。)

 

【飼育開始~脱皮まで】

このいもむし、調べてみるとタバコガという蛾の幼虫らしいということがわかりました。タバコガは、トマトやピーマン、ナスなどのナス科の植物を食べる大害虫として知られているようです。

わたしはこのタバコガをピーマンと一緒に容器に入れて飼っていましたが、とにかくよく食べる!そして成長が早い!さすが、大害虫と言われるだけあります…。ときどき休憩しつつも、一日中ピーマンをかじかじしてみるみる大きくなっていきました。

 

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▲8月5日。飼育を始めて間もない頃です。

 

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▲8月6日。種の近くの白っぽい部分もおいしいようで、よく食べます。食べた分、フンもたくさん出します。

 

どんどん成長するタバコガを眺めるうち、やがて脱皮の瞬間に立ち会いました。

 

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▲8月8日。飼育開始時には体長1センチ程度しかなかったタバコガですが、このときには体長2.5センチ程度にまで成長していました。ピーマンの色とよく似た、淡い緑色の体がきれいです。しかしこの写真を撮った数時間後、タバコガはピーマンを食べるのをやめ、じっとして動かなくなってしまいました。いつもと違う様子に不安を覚えながら見守っていると…

 

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▲じっとしていたタバコガが全身を波打たせながら、脱皮を始めました!写真は、脱皮が終わった後に残った古い皮です。脱ぎ捨てられたズボンのよう。

 

【さらに成長してさなぎに】

脱皮を終えたタバコガ、さらに食べる量が増え、成長を続けていきます。

 

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▲8月11日。このときにはもう、体長4センチぐらいになっています。

 

初めて出会った頃とは比べものにならないぐらい大きくなったタバコガ。相変わらず、ピーマンを一生懸命に食べては休み、食べては休み…を繰り返す毎日でしたが、あるとき転機が訪れました。

タバコガが、それまで片時も離れることのなかったピーマンから離れ、飼育ケースの中をぐるぐると、休むことなく歩き回り始めたのです。まるで、大急ぎで何かを探しているかのように。よく見ると、体の色が少し茶色っぽくなっています。

 

実はタバコガは、さなぎになるときに土へ潜り、土のなかでさなぎ時代を過ごす蛾です。このことを事前に調べていたわたしは、あたふたと動き回るタバコガ幼虫の様子を見て、「この子はいま、さなぎになりたいんだ!!」と気が付きました。

そして急いで土を敷き詰めたケースを用意し、その上にタバコガを置いてみました。するとタバコガは、すぐに土の中に頭を突っ込み、ものの2分程度ですっぽりと土の下へ入ってしまいました。なんたる早業!そして潔さ!

 

【羽化、そして別れのとき】

タバコガが土に潜ったのは8月12日のこと。それからしばらくは、タバコガが無事に成虫になって地上に出てくるのを待つ日々が続きました。

土の中でタバコガがちゃんと元気に過ごしているか心配になり、土を掘り起こして様子を見てみたくなるときもありましたが、あまりじゃましてはいけないと思ってぐっと我慢しました。することといえば、土が乾いてきたら霧吹きをかけてやることぐらい。あとはただひたすら、待ちます。

 

そしてついに…!

 

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▲8月23日、羽化してきた成虫とご対面。やっぱり、幼虫→さなぎ→成虫という変化は本当にすごい。さなぎになる前と後では、全く別の生き物のようです。

 

他の多くの虫たちにも言えることだと思いますが、タバコガが成虫になってからの寿命は長くはありません。このまま飼育ケースの中で命を終えるよりも、残りの時間は外の世界で過ごしてほしいと思い、わたしは無事におとなになったタバコガと一緒に外へ出かけました。

 

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▲別れ際の一枚。とってもりりしい姿で、美しい目をしています。ありがとう、さよなら、元気でね。

 

偶然の出会いから始まった、約三週間にわたるタバコガとの暮らし。

タバコガから教わったことはたくさんあります。

集中して食べ、しっかりと休み、集中して今を生きること。

脱皮したての体はみずみずしくて、生まれたての赤ちゃんみたいだってこと。

幼虫から、さなぎになって、無事に成虫になるのはとても大変だということ…。

 

素敵な時間をくれたタバコガに感謝しながら、ゆっくりとお別れをしました。

もう二度と会うことはないけれど、どうか、残りの生を全うしてください。